「音楽で綴る日フィン友好の歴史」終演のご報告

去る11月27日(水)調布市文化会館たづくり「くすのきホール」にて、日本フィンランド外交関係樹立100周年企画”音楽で綴る日フィン友好の歴史”を開催いたしました。ご来場いただいた皆様本当にありがとうございました。この日はペッカ・オルパナ駐日フィンランド大使ご夫妻のご来場賜り、大変光栄かつとても温かなゆったりとした時を感じる一夜となりました。

両国の100年の歴史を音楽で紐解く企画、第1部は鼎談。舘野泉協会最高顧問、ピアニストで渡邉暁雄氏ご長男の渡邉康雄さんをお迎えして、協会会長新田ユリの司会のもと「渡邉暁雄と日本-フィンランドの音楽」と題し様々な思い出話、音楽の歩みなど両先生にお話いただく時間となりました。今年は協会の初代会長でもあった渡邉暁雄氏生誕100年の年でもあります。日本とフィンランドに於いても、また日本のシベリウス史においてもなくてはならない重要なお仕事を積み重ねていらした渡邉暁雄先生がこの年にご誕生というのは本当に奇跡のようなことであることも再認識した鼎談でした。

第2部は「日本とフィンランドを結ぶ作品」と題し、両国の音楽に深く縁があり貢献された作曲家をご紹介
・小船幸次郎「弦楽四重奏曲第1番」
 1stVnヤンネ舘野 2ndVn澤田幸江 Vla金子なお Vc富永佐恵子
・近衛秀麿「ちんちん千鳥」「ふなうた」「忘れた蓑」「犬と雲」
 Bariton 大久保光哉 Pf 新田ユリ
・P.H.ノルドグレン「小倉百人一首」より7つの歌 メゾソプラノとギターのために 作品137
 Gt 藤井康生 M.Sop 駒ヶ嶺ゆかり
・J.シベリウス=高畠亜生 「フィンランディア・ファンタジー」
 Vn 佐藤まどか Pf 原田麻由

雅楽を思わせる響きが特徴的な小船幸次郎作品、西洋の様々なスタイルが凝縮された近衛秀麿作品、日本を良く知るノルドグレン作品、原曲から大きく翼を広げた高畠さんの編曲、それぞれに日フィンの間に流れた音楽文化を感じさせる内容でした。

第3部は「日本とフィンランドを結ぶ演奏家」
・渡邉康雄 J.シベリウス:キュッリッキ 作品41
・舘野泉  吉松隆:アイノラ抒情曲集よりロマンス、モーツァルティア―ノ、バラード
          タピオラ幻景より  水のパヴァーヌ
      J.ティエンスー:EGEIRO

両先生の力強くかつ繊細なピアノによる豊かな詩が聞こえました。真の豊かさは、小さくはかないものも大切に描き、大切に含み持ちます。そんなことを感じた演奏でした。ご後援いただいたフィンランド大使館、日本フィンランド協会の皆様、大変お世話になりました。そして資料提供などでお世話になった近衛音楽研究所様、横浜交響楽団様のご協力に対しても、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。